acetate zero / le réglage précis du zéro


6thフルアルバム。
アナログオンリーの300枚限定リリース。
2LPで、1枚目がブラック、2枚目がホワイトの豪華盤。
しかも、acetete zero にしては珍しく歌詞付き。ってか初?
何気に短いスパンでコンスタントにリリースし続けてくれるのは嬉しいけど
さすがに今回は敷居高すぎだろ。
アルバム1枚聴くのに4000円は、2人も養ってる身としてはキツいのです・・・。
でも、この人たちはリリースしたら無条件で買う数少ないバンドのひとつだから。


ライナスでこの acetate zero の1stに出会って以来、HMVで取り扱いが始まろうが
買い続けているので、今回もライナスでお世話に。
毎回限定リリースが続く彼らだけど、フルアルバムがアナログオンリーの300枚て・・・。
今回はたまたまリリース前に知ってたから、ライナスで無事ゲットできたけど、
その情報逃してたら、危うく手に入れられないところだった。
arbouseではまだ売ってるけど、前に買おうとしたらよくわかんないけどできなかったからな〜。
基本あそこはフランス語だし。


で、中身だけど
今までは、おぼろげで儚く曖昧で幽玄な、なんてどこか実体の境界線がぼやけた陽炎のような曲が
多かったけど、今回は今まででいちばん曲としての輪郭がはっきりしていて、というか、
普通に歌として成立しているものが大半で、インストはごく一部。
ご丁寧に歌詞もついていて、*1しかもこの時代にあえてアナログオンリーなんて、*2
レコードに針を落としてじっくりと聴いてくださいってことなんだろうか。


確かに最近ではCD買ってもすぐitunesに入れてしまい、昔のように歌詞カードを見ながら
じっくり聴くってことはほとんどなかったので、この仕様は学校から帰ってコンポの前で
歌詞カードを見ながらモーニンググローリーを毎日聴いていたのを思い出させてくれる。


やっぱりレコードに針を落として見開きのジャケットの歌詞を見ながら聴くっていう行為は
音楽をじっくり聴くっていう環境を作ってくれる。
それを意図して作られたんなら、正解だろう。
今回は5人全員がソングライティングに関わっていて、*3
初期にあった音源化されてない曲も録ったらしいし、*4
この熱心なファン以外には届かない仕様でのリリースといい、
どこかバンドの総決算的な感じがするのは気のせいだろうか。
バンドにとって、何か特別な思いがあったんだろうかね。


今までになく退廃的なモノクロのジャケットは何を意味する?
まさか終焉?


まさかね。


ま、さすがに気のせいだろうけど。
ってか、とりあえず1回ぐらい日本に来てほしいな。


ま、とにかく今回はこの仕様と金額に見合う内容で満足。
1枚目の最後なんて、I heard looking for や blue line swinger を
彷彿とさせる長尺ナンバーで、あの高揚感と疾走感がたまらなかった。
また随所に散りばめられてるelsaの歌が今回もホントにどストライク。
バンドで輝く女性vo.の魔法は確かにここにも存在してる。
その脇を固めるノイズがかったインディーロック。
うん。やっぱり大好きだな。このバンド。

*1:一部はナシ。しかも順番はバラバラで。ま、この不親切さは彼ららしいと思ったけど

*2:前作まではデジタル配信もしてる。EPとか細かいのはしてないけど

*3:ま、これまで誰がメインで曲を書いていたのか知らないけど。wordsのクレジットだけは載ってる時もあったけど

*4:ってか、どれが初期の曲かわからないってのもすごい

 supercar / re:supercar 1

RE:SUPERCAR 1

RE:SUPERCAR 1


スーパーカーのリデザインアルバム。
もっと大胆にいじってくるのかと思ったけど、そこはアルバムのコンセプトがあるからだろうか、
リミックスではなく、あくまでも「リデザイン」なので、ほぼ原曲を壊すことなく。
何だか時間もなかったみたいなので、かなりの制限の中作られたのは間違いない。


ナタリーのインタビューだけじゃなくて、twitter上でも普通フォロワーからのに質問に答えてて、
creamsoda はナカコーが弾いてるギターだけ録り直して、あとはほぼほぼいじらずだとか、
lucky は昔ライブで一度だけやったアレンジを元にしてるって言ってたけど、
それって僕が行ったAXのライブだよなーと。
あれってあの時しかやってなかったのか。
うん。やっぱりあれはバンドバージョンの新録を聴きたかった。
それか、ライブテイクか、スタジオテイクが存在するなら、それを入れて欲しかったな。
あと、333は「けいおん」のキャラが浮かんでこうなったとか。


とりあえず、企画は次の「2」で終わりらしい。
ま、いじり具合はとにかく、音が良くなってるのは確かなので、
「JUMP UP」全曲とかやって欲しかった。
ってか、いつかデラックスバージョンなりでリマスタリングして出して欲しい。
スリーアウトチェンジはやったんだから、どうせなら全部。


で、「2」の方にも言及してて、
HIGHVISIONの曲は手詰まりだったっていうから、
もうやっぱりあれはエレクトロ路線の完成系なんだろう。
ってことで、HIGHVISIONの曲はあんまり入らないのかな?
strobolightsなんかはアルバムバージョンで既に手直ししてるわけだし。
ってか、warning bell の進化バージョンはDISC1でやるのかな?
1でやるとしても、2にはこれもライブテイクかスタジオテイクを。
って、何かスーパーカーに未練タラタラな文章になってしまった・・・。



ナカコー公認のまとめサイト
http://togetter.com/li/127087

 snoozer廃刊


音楽雑誌「snoozer」に関するたいせつなおしらせ — リトルモア


またひとつ青春の1ページが幕を閉じるか。


snoozerが創刊した時、僕はまだ17歳だった。
トムが表紙の創刊号を、近所の本屋で立ち読みしたのを覚えてる。
それから1年ぐらいして、友達が買い始めたのをきっかけに、毎号買うようになった。
家で、学校で、隅から隅まで文字を追っていった。
18歳になり、今は亡き新宿リキッドルームにせっせと足を運んでいた。
初めて行った club snoozer は、確か mover がゲストだったかなぁ。
まだ大味な曲ばかりがかかっていた時で、無邪気にただただ、騒いでいたっけ。
それで、帰ってから、気になった曲をネットで友達と探したりして。


自分の中での洋楽と邦楽の垣根を壊してくれたもの snoozer だった。
あ、聴いてもいいんだ。って。
UKロックばかりを聴いてた自分にとって、それが当時の素直な気持ちだった。
で、近所のTSUTAYAでスリーアウトチェンジを買って、毎日のように聴いてたっけ。


自分の20歳ぐらいまでの音楽生活は、snoozerと共にあったと言っていいと思う。


だんだんと自分とはモードがズレていくにつれて、次第に買うのをやめ、
目を通すのは年間ベストぐらいになってしまっていたけど、最近は、
書店に並んでいたら、目を通すぐらいのことはしてた。
まぁ、昔とは違って、ただ単の情報としてね。
でも、こんなに一生懸命読んだ雑誌は後にも先にも snoozer だけだと思う。


節目の時は必ず書いてきたような気がするけど、
ナンバーガールが解散して、リキッドルームがなくなって、club K も終わって、
スーパーカーも解散して、今度は snoozer が終わるか。
ってか、もう残ってるものなんて何もないのかも。
残っていてほしいなんて、ただの部外者のエゴでしかないのかな。

 LAMA / KIMONOS WWW@DOMMUNE

夢の続き。


そこで鳴っていたのは、そう思わせるには十分な音だった。


ナンバーガールスーパーカーなんていう、僕の青春を凝縮したような
スーパーバンドが鳴らしていたのは、まぎれもなく、
6年間止まっていた針を再び動かしたような、
そんな、highvison のその先にあるような音だった。
うん。ナンバーガールの要素はゼロだった。


agraphというエレクトロの専門家をメンバーに迎え入れ*1
それまでのエレクトロ路線の根幹を担ってたであろうナカコーは、より自由に。
久々のセンターでメインを張るミキちゃんには、ソロで得た余裕と風格が。
ひさ子はまだどこか、居心地が悪そう。
そして、スーパーカーからの進化に必要だった最後のメンバーagraph


そう、このLAMAという皮を被ったバンドは、まぎれもなく、
6年間の沈黙を破って再び表舞台に戻ってきた第2期スーパーカーに他ならない。
その音が証明してしまっている。
ただ、本人たちがどこまでやる気かはわからないけど。


気になるのは今後のひさ子の処遇かな。
正直、あのポジションはいてもいなくても、あまり大差ないだろうから。


とりあえず、企画でも何でもいいし、ユルくてもなんでもいいから、
とにかくナカコーとミキちゃんはバンドを続けてくれと思った。

*1:もうこう言ってしまおう

 the pains of being pure at heart

Rough Trade: Indiepop 01

Rough Trade: Indiepop 01


とりあえず、今年いちばんハマったバンド。*1
もしかしたら、アルバムは yuck の方が上になるかもしれないけど、
とにかく今年はこのバンドに尽きる。


マイブラの paint a rainbow に触発されてバンドを始めた〜なんてのをどこかで読んだけど、
初期の曲は正にそんな感じで、それはそれで全然キライじゃない。
ただ、今の自分にドンピシャなのは、ギターノイズを抑えてペギーのキーボードを前面に出してる曲たち。
特にアルバム未収録のシングル2枚は完璧。
そりゃ、アルバムに入れないよなぁ。
あれはあれで完結してしまってるし。


何か今年は久々に豊作な年だ。
ここ数年、リアルタイムの音楽にグっとくることがほとんどなかったので、
この界隈の音楽のバンドが活気があるのが嬉しい。

*1:言い切る

 Lama


そのスーパーカーだけど、ナカコーによるリデザインアルバムが出ると思ったら、
ナカコー+ミキちゃん+ひさ子による新バンド結成のニュース。
ただもうひとりがどうやらドラムの人ではないみたいなので、ひさ子のギターが
エレクトロな感じにどう絡んでいくのかまだ未知数な感じではあるかな。


で、リデザインっつーかただのセルフリミックスアルバムだけど、
farewayのシングルに入ってたナカコーリミックスの延長上って感じ。
だったら、highvision期のluckyのエレクトロバージョンとかバンドで新録して欲しい。
ま、無理だろうけど。

 yuck / st

Yuck

Yuck

cajun dance partyの2人によるバンドの1st。
初っ端からモロダイナソー+αUSインディーロック。最後の方はポストロックも入ってたり。
あんなキラキラな音楽をやっていた人たちが作ったとは思えない音。
今の時代にこんなの出しちゃっていいの?って感じ。
絶対売れないだろ。コレ。
ま、僕的には直球だからどうでもいいけど。
もうすぐ出るJのソロが俄然楽しみになってきた。


つくづくバンドってものは青春群像なんだなって。
裏ジャケ見て思った。
やっぱり男女混合バンドが好きなんだろうな。
マイブラ然り。スーパーカー然り。ナンバーガール然り。
いや、ただ僕がバンドにそれを求めてるだけかな。