[音楽][アナログ] ajico / 深緑

深緑

深緑

相変わらずアナログの異常な価格上昇は止まらないようです。
特に生産数が少ないと言われている90年代のモノは。
もう definitely maybe や morning glory が2000円台で買える時代は戻って来ないように思います。
昔だったら市場のニーズの浮き沈みはあったと思いますが、これからの時代は保有者のベースが上がってしまって今まで以上に市場にモノが出回らなくなるように思います。
そして、更なる価格上昇を招く・・・と。


今日はそんな中でも比較的逆に価格が安定しているものについてです。
00年代初頭、日本では空前のアナログブームで、誰でも彼でもアナログ出してしまえという時代があったようですが、その頃に生産されたモノに関しては生産数が異常に多いので、逆価格破壊は起こっていません。
この辺の音が好きな人にとっては朗報です。
例えば、Coccoのクムイウタとか、ブランキーのlast danceとかは、僕の所有しているナンバリングは両方とも4000台です。
両方とも未だによく見かける&価格も変わっていないので、市場のバランスが維持されているということでしょう。


で、ajico ですが、このバンドもちょうど前述の00年代初頭のバンドで、市場のバランスが維持されている中に入ります。
ま、このバンドに関しては世間的にかなり過小評価されているバンドだと思っています。
バランスが維持されていると言っても、アナログは500円とかで売られていますし。
かく言う僕も、当時テレビで「波動」を聴いて、『期待していた割に、何か煮え切らない曲だなぁ』とスルーしていましたが・・・。
今改めて聴き直すと、すごいバンドを聴き逃していたんだなぁと。
mo'waxやsilent poetsに通じる漆黒の、いや深緑のグルーヴが強烈に渦巻いている真夜中の音楽。
4人の個性が見事にぶつかり合って儚く散っていったからこそ、この美しさは永遠に残るんだと。
ajicoはこの唯一のオリジナルアルバムを残して*1、翌年活動を休止します。
そして、それは永遠に再開されることはなく・・・。


最後に。
浅井によると、ajicoとは宇宙を彷徨うヨットのことだとか。
正に、彼らの音楽性を体現する名称だと。

*1:他にライブアルバム1枚