v.a / only for the mindstrong
fuji rock festival '02。
2日目。
深夜3時。
レッドマーキー。
the blue herb。
この瞬間のことは今でも覚えている。
ライブが終わった後も、ひとり会場の立ち尽くしている自分がいた。
彼の言葉に、彼のたった一言の言葉に、僕は泣いていたんだ。
初めて彼らを見たのは'00の真昼間のホワイトだった。
即興で繰り出される彼の言葉は人々を惹きつけ、道行く人を立ち止まらせた。
その場にいる誰もが、次に放たれる言葉を待ち、黙って耳を傾けていた。
でもあれは、あの時、あの場所で、あの瞬間だからこそ
作用するものだと思ってたから、彼らのCDには全く興味がなくて、
これまでも触れてこなかったし、これからも触れることはないだろうと思ってた。
ただ、これだけは違った。
時代は変わる3*1 〜 annui dub ‐last day dj saves mix ‐
にかけたおよそヒップホップのビートとは程遠いメランコリックなバックトラックの上を漂う
彼のポエトリーリーディングのような語りと、この空気は、正にあの瞬間を体現したかのようで。
次々と紡ぎ出されてゆく言葉と音は、その瞬間に意味を成し、やがて空間に溶けてゆく。
歌詞カードはない。
だから、あえてここにも書かないし、耳で拾って書き出すこともない。
意味を考えたくないんだ。
頭で聴きたくないんだ。
もっと感覚で、五感を使って捉えたいんだ。
この言葉と音は。
*1:になるの?