sparrow orange / hands and knees music

Hands & Knees Music

Hands & Knees Music

ポストロック、エレクトロニカ、エクスペリメント。
そのどれともつかないようでいて、どこか有機的な温度を内包した音が
無機質ながらも丸みを帯びたビートに絡む北米のアンビエントミュージック。
深海の中を漂っているような前EPとは違い、こっちは地上における音楽。
この地上に存在する幾多の感情や風景が平面のキャンバスに次々と映し出されてゆく。
音像の輪郭も幾分はっきりしていて、表現の幅を広げた感じ。
ジャケの無機質な印象とは裏腹に、一音一音に確かな温度が感じられる。
北米にある自宅の庭先で迎える朝のひかりはこんな感じなんだろうか。


カナダのレーベル noise factory からの1stフルアルバム。2001年作品。
broken social scene の1stや k.c. accidental の1st、
readymade の block alone EP、そして where are my の面々
などと共に僕的にカナダがいちばん熱かった時代を支えた名盤。
これ以前に1枚EPを出していて、それ以外のリリース情報は特になし。
レーベル内のアーティストページしか存在しないようなので、
このアーティスト自体の様々な詳細は不明。
今は活動してるのかどうかさえもわからない。
M3の “ i remember it all ” は、真冬の大気の寒々しさと
対を成すように力強く昇ってくる太陽、そしてクリスマスの朝に
希望と言う名のひかりが辺り一面に降り注ぐ奇跡のような瞬間を描いた一大名曲。
一応 amazon でも扱ってるみたいだけど、カナダから
直接の流通経路がないせいなのか、ちょっと高すぎ。