alpha / lost in a garden of clouds part 1

曇りガラス越しに見る夢心地な世界。
上から零れてくる雨粒の雫がさらにその風景をぼやかす。
どこからが始まりで、どこまでが終わりなのかわからない、とても曖昧な世界。
メランコリックなビートに乗っかってくる夢世界は、どれもこれも儚げで。
雨露に濡れてしまったような湿った空気がこの世界を覆い尽くしている。


ふとした瞬間に、自分の立っている場所に気づくことがある。
なぜだかわからないけど、急に涙がこぼれてしまうことがある。
この音たちが残していく、束の間に見える一瞬の風景だとか、
どこまでも響いていく残響音にも似た幾重にも折り重なる残像は、
聴く者の心情を映す出すこころの鏡みたいだ。


ブリストルの重要ユニット alpha の4thアルバム。
20曲の映像の断片がつながれたようなこの不思議なアルバムは、
聴くたびに違った風景を描き出してくれてるみたいだ。
僕の中では moon safari に近いものを感じたかな。
もっとメランコリックでずっと曖昧だけど、あの世界をちょっと思い出した。
part 1 というぐらいだから、この世界は次の part 2 へと繋がってゆく。
この世界観は大好きなので、次を聴くのがとても楽しみだ。