ルート225


「戻りたいのに、戻れないの」


思考するのに疲れたので、もう何も考えない。
とにかく今はこのセリフに尽きる。
無邪気なこどもが言い放つようなこの何気ないセリフが胸を刺す。
今生きているこの瞬間瞬間はもう決して戻ってはこない。
人間とは、永久の刹那に身を捧げる儚い生き物だ。
それを自覚する時が、ルートを飛び越える時が、必ず誰しもにやってくる。
フラッシュバックが止まらない。


「お前のことなんて誰も知らねーんだよ」


かたちとなって現れた心象風景。
不安で不安でたまらない。
ふとした瞬間に訪れる、ひどい孤独感。
わけもわからずに泣き続けた夜だとか。
なんか、いろいろ思い出した。