mo'some tonebender / hello
- アーティスト: MO’SOME TONEBENDER,百々和宏,藤田勇
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 2001/09/21
- メディア: CD
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確実に形にして見せたメジャーデビューアルバム。
彼らなりのポップを結晶させたためか、
結果的に見た目がちょっといびつな形をしてしまってはいるが、
中身は一貫してストレートなロックが鳴っている。
しかし、この後いびつなロックンロールは加速することをやめずに、
ギリギリで保っていたポップとの境界線を突破してしまう。
僕は僕でその先に行くことはせずに、また別の道を歩んでいくことに。
そんなわけで、彼らの音と僕のモードは別々の方向へ向かっていったので、
これ以降、双方が再び交わることはなかった。*1
ポップジャムを見てからこのアルバムを引っ張り出して聴いてみたけど、
昔聴いてた印象よりも、もっとずっといいアルバムだと思った。
アルバムとしてもすごくいいんだけど、やっぱこの2曲目の「HigH」はすごい。
この曲の歌詞って、この曲自身のことをうたってるんだよね。*2
音だけ聴くと、ハイテンションでずーっと駆け抜けてくような曲なんだけど、
歌詞には、その音の渦に飲み込まれてゆく瞬間の百々の感覚がそのまま綴られている。*3
もっとも、歌詞が先にあったのか音が先にあったのか、
それとも同時だったのかは定かではないんだけど。
それでも、この曲の歌詞って、
この曲ができる瞬間のことがそのまま刻まれてるような気がするんだ。
だから、この曲を聴くたびに、曲が生まれる瞬間に立ち会えているような気になる。
魔法が生まれる瞬間が、ここに刻まれてるような気がする。
この感覚って、数年たった今でも失われていることはなかった。
もっともこういう感覚が僕とモーサムを引き裂いた原因でもあるけどね。
それは、「dawn rock」を聴いたときの感覚が、しばらくこのアルバムを
素直に受け入れられなかった原因であることとよく似ている。
彼らの衝撃が強すぎるために、僕の期待値が在らぬ方向にMAXにハネあがってしまうんだ。
その期待値と現実との差を埋められない為に、聴くのをやめたんだと思う。