モロッコ戦後の2時間にて


「だって働きたくないじゃん」


彼女の言うことはいつも核心をついてくる。
僕も一緒にいたAも返す言葉がなかった。


どこかの施設のようなところへ入っていく。
彼女と二人だけなんだろうか。
二人とも肩掛けバックを持ち、どんどん突き進んでいく彼女のあとを追いかける。
狭っ苦しいところだ。
ぬいぐるみやらおもちゃやらがそこらじゅうに散乱している。
どこかで見たことあると思ったら、ここは風の丘ホーム*1だ。
そこの子供たちもいる。
わからずに土足で入ったことに対して子供が泣いてしまった。
ああ・・・、ごめんよ。


床に寝そべってくつろいでいたら、おもむろにネコが集まってきた。
2匹、3匹と。
どんだけ人懐っこいんだ?ここのネコは。
もう僕の側で寝てるぞ?
ぽかぽかとした陽気の、ある日の昼下がり。
太陽のひかりが差し込んでくる部屋で、
傍らには3匹のネコを抱えて、ちょっとひと眠り。


隣で一緒に寝ていた女の娘が、
突然僕の顔を真正面から見つめ、
真剣な顔でこう言った。


「死にたいと思ったことない?」


『・・・・』


「あたし、今やってみるね」


と、自ら舌を噛んで自害しようとする彼女。
あまりにも突然な出来事に、戸惑いを隠しきれない。
今、正に目の前で、人がひとり、自らの命を絶とうとしている。
そんな事実を受け入れられないでいる自分。
目の前で起こっていることから目を逸らしてしまいたい。
しかし、何か頭で考えるよりも前に、何よりもまず先に本能が動いた。
訳もわからず、口の中に指を入れ必死に止める。
「誰かーーーっ! 誰かーーーっ!!」
自然と涙が溢れてくる。
お願い・・・・死なないで・・・・・・・。
泣き叫びながら助けを求める。
子供たちも一緒に。
先生たち、早く気づいて!
後ろいるみたいなんだけど、なかなか気づいてくれない。
「ああああーーーーーーー!!!!」


気づいたら、外はもう日が落ちていた。
僕は薄暗くなった部屋でひとり、
体育座りで窓の向こうを眺めていた。
彼女は隣の部屋で横になっていた。何人かに囲まれて。
医師の治療を受けていたらしい。
先生に促され彼女に近づく。
彼女は目を覚ました。
どうやら助かったみたいだ。


「よかったぁ・・・」


手を握る。
よくよく見たら、体の数ヶ所にハリが刺さっている。
まだ治療中みたいだ。
それでも、先生に促され彼女の体に触れる。
あたたかい・・・。
彼女の体温を感じる。
鼓動を感じる。
よかった・・・。
生きてる。


パーティー会場。
連れと二人。
Iは映画を撮るとはりきっている。
でも肝心のMがまだ来てないらしい。


連れと二人でいたところに邪魔が入る。
GMだ。RMもいる。
よくよく見たら、A小軍団じゃないか。
こいつら苦手なんだよなー。
せっかく楽しかったパーティーなのに・・・。


小学校時代の同級生も来てる。
「よう、H。来てたのか。お前っていつの間にかひょっこりいるんだよな」
10数年ぶりに会う同級生なのだが*2、すぐにわかった。*3
その後も懐かしい仲間と再会して、ちょっとひと休み。
そんな時、A小の仲間の誰かが僕に向かって何か言ったので、僕も何か言った。
その対応がチーマー軍団*4には気に入らなかったらしく、


「オイ!!」


とか言われて僕も僕でそれにはカチんときたので、


「どうぞ」


と座っていたイスをそっちにやってやった。
したらその態度にもムカついたらしく、めっちゃガン飛ばしてきた。
僕もそれにはムカついたので、もういいやぁと思い


「オレもう帰るわ」


と荷物を乱暴に手にとって、さっさと階段を上がって外へ出てしまう。
別に関係ねぇとか思って出てきたけど、やっぱ彼女も付いてきた。


「ごめんね」


彼女はなんとも言えない表情。
帰り際に近くのトイレに行くんだけど、すげー汚い。
これはムリ。
トレインスポッティングのあのトイレよりひどい。
諦めて外へ出たらひどい雨。
雨宿りするために、ちょっと戻って彼女を待ってたんだけど、なかなか来ない。
またトイレに入って中に戻ろうとするんだが、並んでる*5ので諦める。
しばらく雨に濡れながら彼女を探していたら、みんなが雨具を持ってきてくれた。
Aとか、小学校の同級生たち。
彼女もみんなが連れてきてくれた。


「ごめんね」


彼女は黒いレインコートを着ていて、
フードを被ったその下から見える表情は、
とても悲しそうに俯いていた。
Aがタオルをくれた。みんななんていい友達なんだろう。
わざわざ下にあった傘をたくさん持ってきてくれたんだけど、僕のはなかった。
『オレの傘、下にあんだよね』
「いやー、オレ大丈夫だと思うんだけどなぁ」
『いや、そんなのはどうでもいいんだよね。
オレがもうあそこにいても楽しめなくなったんだよ』
ここで目覚まし。




何とも長い夢だった。
前半部分は覚えてないし。
しかし今回のはヤバかったな。
大丈夫かな、コレ。
別に当方変な願望はございませんから。
日々、生きてゆくのに必死ですから。


基本的に僕の夢は連想式。
連想連想で話がどんどん展開していく。
日常で頭に残っていることが出てくるのはわかるんだけど、
もう忘れかけてた同級生とかが急に出てくるのはなんでだろうなぁ。
夢って不思議だ。

*1:ドラマ「エンジン」参照

*2:現実では卒業以来会ってない

*3:夢の中ではそれなりにちゃんと成長してて、年相応の姿になって現れた

*4:いつの間にか最も苦手な軍団にレベルアップしてる

*5:なぜかロンブーが