実は
ビョークのCDなんて1枚も持ってない。全部Rか
ipodに入ってるかどっちかだ。僕は
ビョークをきちんと通過してこなかった。それは高校時代にbe@tukで見たポスト時代のプロモの影響がかなり大きい。基本的にポストはハイパーバラッドしか聴かない。それなのに、この時には他のシングルのプロモは流れても、ハイパーバラッドのプロモが流れることはなかった。あの時にハイパーバラッドを聴くことができてたら、去年のフジで途中退席するなんてことは絶対にしてなかっただろうに。
ビョークを10代で体験できなかったことは、今の自分にとってかなりの痛手となってる。今さらながらに思う。こんなにいいのになんで今まで聴いてこなかったんだろうと。いや、聴いてこないことはなかった。ただ、まともに、リアルな音楽として受け止めてこなかっただけだ。だから、どのアルバムもおぼろげにしか覚えてないんだ。これまでにも、何度か引き返して拾ってきたつもりだった。でも、忘れた頃に後ろを見返すと、両腕に抱えてきたものがぼろぼろとこぼれ落ちていて、今まで歩いてきた道に点在している。それを見て、また拾い直しに行く。自分の中の
ビョークってそんな感じだ。いつもどこかに宙ぶらりんにぶら下がってて、安住することはない。見つけたと思っても、次に見たときにはその場所にはいないんだ。だから、また探しに行かなきゃならない。これからいくら聴いたって満たされることはないだろう。もう今からでは過去に抜け落ちたものを拾い直すことはできないから。そんなことを思いながらも、今日もこのレコードに針を落とすんだ。