コラム

高木正勝のコラム

殆どエンディング(物語)を覚えていない。自分が好きな映画の事を思い出すと、いつも思う事です。僕にとって「素晴らしかった映画」というのは、「一瞬の美しさ」として心に残る。例えば、アンドレイ・タルコフスキー「鏡」という映画。詩的で印象的なシーンを数多く映画に取り入れる監督ですが、僕がきちんと覚えているのは、冒頭の「人が振り向いたら草原に風が吹く」シーンくらい。他にも美しいシーンが沢山あった映画でしたが、このシーンくらいしか心にきちんと残っていない。.............

あ、これすごくよくわかる。
と言っても僕は映画だけでなく、ドラマとか小説とか音楽とか
そのほとんどにこれが当てはまってしまうのだけど・・・・・。
昔そのことを友人に話したら
「それはその話がつまらなかったからだよ」
と言われたことがあるけど、やっぱそうじゃないよね。


そんなわけで、mogwaiの新譜を聴いてみた。
んー、頭ではわかる気もするけど心がついていかない。
もうこの辺が潮時かも。
確かに、“tracy (kid loco's playing with the young team remix)”
“helicon 1” “cody” などなど数々の名曲を残してくれた彼らだけど、
僕の中では “2 rights make 1 wrong” で完結してしまってると言っていい。
ここで彼らの役目は終わった。
前作も「悪くはない」と頭でわかってはいるけども、ただそれだけの作品だった。
というか、もう僕の中で需要がないので、ただ頭で認識するのが精一杯なだけ。
そう。作品云々よりこっち側の問題。
ま、今回もそういうことだ。
彼らの役目は終わった。
ご苦労さま。