cat power / the greatest

Greatest

Greatest


表題曲から、前作を踏襲しつつその孤高で生な世界観を突き詰めて
いったものを想像していたんだけど、そうでもなかった。
いや、その逆だったと言っていいかもしれない。
ささくれ立ったピンクの内側に直で染み込んでくるような前作の生々しさは、
ここにはなかった。
等身大の女としてのショーンがそのままいるのが前作だったとしたら、
今作のショーンはわが子を大きな愛であやしている母親のようだ。
見上げれば彼女の手が優しく僕らを包んでくれている。
アルバムを聴いている間は、彼女の暖かな体温を感じながら、
その柔らかい腕に抱かれて眠っている赤ん坊のようだった。
子供でもひとり生んだんじゃないかなーってぐらいに
今回はショーンの中の “ 母性 ” を感じる。
あー、やっぱショーン好きだなぁ。