halcali / tip taps tip

Tip Taps Tip


胸キュンミッドナイトクルージングソング。
深夜のラジオから流れてきた四つ打ちに思わず胸が鳴ってしまった。
軽々しいピコピコ音に申し訳程度の控え目なヴォコーダー
四つ打ちのくせにデカい音に耐えられないキンキンな高音。
そう、だからFMじゃ耐えられない。
FMのクリアで透き通った高音には耐えられないんだ。
このヘンテコなチープさにはAMがお似合いだ。
あのノイズにまみれた、得体の知れない霧がかかったようなフィルターを突き抜けて聴こえてくる、
ひどくくぐもった音。人間味のある音。聴き取りにくいったらありゃしない。


でも、そこを潜り抜けてきて欲しい。
あえてあのフィルターに引っかかって聴こえてきて欲しい。
手持ちのCDは全部聴いちゃったから、ただ流してるだけの深夜のラジオから。
あのピコピコが。ヴォコーダーが。
ヘンテコリンなチープさに、輪を掛けてチープになった
この時代に作られたサウンドとは思えないような音で。
しょぼくれた年代モノのスピーカーから、流れてきて欲しい。
FMでもなく、カラオケでもなく、エンディングテーマでもない。
深夜にただ流れるAMなんだ。そんな感じなんだ。
この曲が愛しいのは、だからなんだと思う。