白昼夢


どっかのビルの一室だったり、だれもいないビルだったり。
社長から電話。
うんざりするほど長いので、


「あー、外雨降ってきましたー!!」


と言って終わらせようとしたら、作戦失敗。


「そうか、じゃあ、前で待ってるからオレの車乗れや」


あー、しまった・・・。
社長とサシで会わなきゃならなくなった。
しかも、ウソから出た誠とはこのこと。
ホントに雨が降ってきた。
Aから電話。
今からこっちに来るという。
でも、社長来るぜ?
とりあえず、合流。
飴をもらうんだが、下に落ちてしまう。
これから馬場まで行って、降りることで合意。


自転車で颯爽と坂道を下ってゆく。
どうやら新しい家は、あの高台一帯が住宅地になってるところの隅っこにあるみたいだ。
いつもの道を通り過ぎ、家の逆側から帰ろうと高台を上っていった。
近所の人が立ち話してる側をすり抜け、路地を出ようとしたら
隣家のおっさんが、庭で何やら体操をしてるのが見えた。
どうやらこっちからでは、家には抜けられないようになってるみたいだ。
横に抜けようとしたら、そこは公園になってるみたいなんだけど、
いつくものガラスの扉で仕切られた向こうの側には、
近隣の人々が花見に来てるようで、楽しげな様子で皆歓談している。
しかも下に畳が敷いてあるみたいなので、
さすがにチャリでそこを通るわけにも行かない。
しょうがないので、もと来た道を引き返すことに。


階段のところまできたけど、下にはこれから上がってこようと待機してる人たちが。
急な階段なので、乗りながら降りれそうもない。
しかし、ここを行かないと帰れそうもないので、チャリを担いで降りることに。
いつの間にか、周りには子供たちとかお年寄りが集まってきてる。
なれないことしてる僕を心配してくれてのことだ。
途中までは何とか横の手すりを使って降りれた。
問題は、手すりに届かなくなってしまうこの先だ。
チャリを担ぎながら、何も支えることなしに降りなければならない。
シルバー人材のじいさんが持ってくれようとしたが、
じいさんのことが心配でならないので、


「ひとりで大丈夫だから」と。


じいさんを断ったと思ったら、
後ろでは中学生ぐらいの女の娘が
手伝ってくれようとしてたので、


「大丈夫だよ」と。


ホントは誰かに手伝って欲しかったが、
周りにいるメンツを考えたら、
ひとりでやった方が安全だと判断。
手伝ってもらったら、逆にその人たちの方が危険になりかねない。
そんなわけで、フラフラしながらも、無事に下まで降りれた。
さっき手伝おうとしてくれた女の娘とその友達が、
帰る方向が一緒だということで、その娘たちと一緒に帰ることに。
本当は途中で別れなければならなかったけど、そのまま行っても
帰れるかなぁと思ってたら案の定迷子に。
でも、ちょっと脇に逸れたら知ってるところに出られた。
道に出ようと手前の柵の扉を開けたら、近所の家のネコやら犬やらが出てきた。
と思ったらどさくさに紛れて家のネコもいて、
何も考えずに抱きかかえてその場を離れる。
何だかアリとか虫がくっついてるみたいなので、
取ってやろうしてるのに逃げてしまう。